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【コラム】暮らしを彩る照明の選び方(前編)

  • コラム

照明は、部屋を明るくするためだけのものではありません。

同じ空間でも、照明の色や明るさ、光の当て方を変えることで、落ち着いた雰囲気にしたり、家族が集まりやすい明るい空間にしたりと、住まいの印象を大きく変えることができます。

特に近年は、照明器具そのものを目立たせるのではなく、壁や天井などに光を反射させる「間接照明」を取り入れた住まいも増えています。

今回は、リビング・ダイニング・寝室など、それぞれのシーンに合わせた照明の使い分けと、木材や金属、ファブリックなどの素材感を引き立てる照明のポイントをご紹介します。

シーンに合わせて光を使い分ける

リビングは「くつろぎ」を意識

家族が集まったり、テレビを見たり、読書をしたりと、リビングではさまざまな過ごし方があります。

そのため、一つの照明だけですべてをまかなおうとするのではなく、複数の照明を組み合わせるのがおすすめです。

例えば、天井の照明で空間全体を明るくしながら、壁やテレビボードの周辺に間接照明を取り入れることで、柔らかな光をプラスできます。

観葉植物やお気に入りのインテリア、壁面などを照らせば、空間に奥行きが生まれ、昼間とは違った表情を楽しむこともできます。

さらに、調光機能のある照明なら、家族で過ごす時間は明るく、映画を見るときは少し暗めにするなど、暮らしのシーンに合わせて光を調整できます。

ダイニングは「食事を楽しむ光」

ダイニングの照明は、食卓の雰囲気をつくる大切なポイントです。

テーブルの上にペンダントライトを取り入れると、食卓を中心とした落ち着きのある空間を演出できます。

食事の時間には、やや暖かみのある光がおすすめです。

料理を美味しそうに見せるだけでなく、家族との会話も楽しみやすい、落ち着いた雰囲気をつくることができます。

また、ダイニング周辺の壁や収納部分に間接照明を取り入れると、食卓だけが明るく浮かび上がるのではなく、空間全体に奥行きが生まれます。

照明の位置や高さは、設計段階から家具とのバランスを考えておくことが大切です。

寝室は「眠りにつながる光」

寝室では、明るさだけでなく「どのように光を感じるか」が重要です。

就寝前まで明るい照明を浴びていると、なかなかリラックスできないこともあります。

そこで、ベッドサイドのテーブルランプやブラケットライトなど、必要な場所だけを照らす照明を取り入れるとよいでしょう。

天井から部屋全体を照らす照明だけでなく、壁面や床に柔らかな光を取り入れることで、落ち着いた雰囲気をつくることができます。

また、調光機能があれば、就寝前は明るさを落として、ゆったりと過ごすこともできます。

素材感を引き立てる照明

照明は、家具や内装材の見え方にも大きく影響します。

同じ木材やタイル、壁材でも、光の当て方によって色合いや凹凸の見え方が変わるため、素材の魅力を引き立てるためにも照明計画は重要です。

木材には暖かみのある光

無垢材や木製家具など、木の温もりを感じられる素材には、暖かみのある光がよく合います。

例えば、棚の下や壁面に間接照明を設置すると、木目や素材の陰影が浮かび上がり、落ち着いた雰囲気を演出できます。

木材を多く使用した住まいでは、照明を上手に組み合わせることで、昼間とは違った「夜の表情」を楽しむことができます。

金属やタイルには光の陰影を

一方、金属やタイルなどの素材は、光の反射や陰影を活かすことで、よりスタイリッシュな印象になります。

ただし、光を強く当てすぎると、反射によってまぶしく感じる場合があります。

素材の特徴を確認しながら、直接照らすだけでなく、壁や天井に光を反射させる方法も取り入れてみましょう。

シンプルな空間でも、光と影を組み合わせることで、上質で奥行きのある印象に仕上げることができます。

ファブリックは柔らかな光で

ソファやカーテン、ラグなどのファブリック素材は、柔らかな光との相性が良い素材です。

ランプシェードなどを使って光を拡散させると、空間全体が優しく包まれるような雰囲気になります。

特にベージュやブラウンなどの暖色系のインテリアには、暖かみのある照明を組み合わせることで、落ち着きのある居心地の良い空間をつくることができます。

「明るければ良い」から「光を楽しむ」へ

住宅の照明計画では、部屋全体を均一に明るくするだけでなく、「どこを照らすのか」「どのような時間を過ごしたいのか」を考えることが大切です。

家族が集まるリビング、食事を楽しむダイニング、ゆっくり休む寝室。

それぞれの場所で求められる光は異なります。

そして、照明は内装や家具などの素材を引き立て、住まいに奥行きや個性を与えてくれる存在でもあります。

照明計画を少し工夫するだけで、普段何気なく過ごしている家の中に、新しい魅力を発見できるかもしれません。

次回の後編では、LED照明や調光機能など、快適で省エネな照明の選び方についてご紹介します。

さらに、これから訪れる秋の夜長をゆっくり楽しむための、季節に合わせた照明の取り入れ方についても解説します。

ぜひ後編もご覧ください。