【コラム】虫が入りにくい家づくりのポイント(前編)
- コラム
涼しい季節になると、家の中で気になるのが「虫」の存在です。
窓を開けたときに小さな虫が入ってきたり、夜になると照明に虫が集まったり、庭から家の中へ虫が侵入してきたり……。せっかくの快適な住まいでも、虫が多いと落ち着いて過ごせないことがあります。
実は、虫の侵入を減らすためには、住み始めてからの対策だけでなく、家を建てる段階から「虫が入りにくい家」を意識することが大切です。
今回は、虫が入りにくい住まいをつくるために知っておきたい、設計や施工のポイントについてご紹介します。
虫が入りにくい家づくりの基本
「隙間をつくらない」ことが第一歩
虫の侵入を防ぐうえで基本となるのが、住宅の隙間をできるだけ少なくすることです。
特に注意したいのが、窓や玄関などの開口部です。
住宅には、採光や通風、出入りのためにさまざまな開口部があります。これらは暮らしに欠かせない一方で、虫が室内へ侵入する経路にもなります。
そのため、窓には網戸を設置するだけでなく、網戸と窓の位置関係や建付けにも配慮することが重要です。
また、玄関ドアや勝手口なども、閉めたときに隙間が生じていないかを確認しておきたいポイントです。
「どこから虫が入ってくるのか」を考えながら設計することが、虫対策の第一歩になります。
換気口や配管まわりにも注意
見落としやすいのが、換気口や排気口、エアコン配管などの設備まわりです。
住宅には、快適な室内環境を保つためにさまざまな設備が設置されています。しかし、壁に穴を開けて配管やダクトを通す部分は、施工方法によっては虫の侵入経路となる可能性があります。
そのため、施工時には設備まわりの納まりを丁寧に確認し、必要に応じて防虫網や適切な部材を使用することが大切です。
特に新築時は、完成後には見えにくくなる部分まで含めて、丁寧な施工を行うことが重要になります。
湿気をためない敷地計画
虫対策では、建物そのものだけでなく、敷地の環境にも目を向ける必要があります。
虫が発生しやすい環境の一つが、湿気の多い場所です。
敷地内に雨水がたまりやすかったり、排水がうまくいかなかったりすると、虫が発生しやすい環境につながる場合があります。
そこで、土地の高低差や雨水の流れを考慮しながら、適切な排水計画を行うことが大切です。
外構計画と建物の設計を一体的に考えることで、雨水がたまりにくく、管理しやすい住環境をつくることができます。
外壁・基礎まわりの施工も重要
建物の外側から虫が侵入する可能性を減らすためには、外壁や基礎まわりの施工にも注意が必要です。
外壁と基礎、配管などが接する部分は、適切な部材を使用しながら、隙間ができないよう丁寧に施工することが重要です。
また、住宅の耐久性を考えるうえでも、雨水や湿気が建物内部へ入り込まないようにすることは大切なポイントです。
つまり、虫対策は単に「虫を入れない」というだけではありません。
防水・防湿・気密など、住宅の基本的な性能をしっかり確保することが、結果として虫の侵入を抑えることにもつながります。
網戸にも種類と使い方のポイントがある
虫の侵入を防ぐために欠かせない網戸ですが、設置していれば安心というわけではありません。
網戸の目の細かさや状態、サッシとの隙間などによって、虫の侵入しやすさは変わります。
また、網戸を使用する際には、窓の開け方にも注意が必要です。
窓の種類によっては、開け方によって網戸との間に隙間ができる場合があります。
新築時には、単純に「窓を選ぶ」のではなく、窓・網戸・換気・通風をセットで考えることが、快適な住まいづくりにつながります。
虫対策は「設計・施工・外構」のトータルで考える
虫が入りにくい家をつくるためには、特別な設備だけに頼るのではなく、
- 隙間をできるだけつくらない
- 開口部を適切に計画する
- 設備・配管まわりを丁寧に施工する
- 湿気や水たまりをつくらない
- 外構まで含めて計画する
といった基本的な考え方が重要です。
そして、家が完成した後の暮らし方やメンテナンスも、虫対策には大きく関係します。
次回の後編では、虫を寄せ付けにくい外構づくりや植栽、さらに日々の暮らしの中でできる対策について詳しくご紹介します。

